やまそうです。現在、日本は空前の人手不足といわれています。私は労働生産性の低さも人手不足の要因ではないかと考えています。日本の労働生産性は世界水準に比べ低いといわれています。特に日本のサービス業が生産性の低下の足かせとなっています。なぜサービス業はとりわけ生産性が低いのか。今回はこの労働生産性の低い理由を考えていきます。
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労働生産性が低い理由はおもてなしという名の過剰サービス
日本のサービス業の生産性はアメリカの半分といわれています。日本の国全体の労働生産性を100とした場合、アメリカは152、それがサービス業では米国が197と差が開きます。つまり、サービス業の生産性の低さが、国全体の足を引っ張っているのです。
さらに、卸売り・小売りでは日本を100としたときアメリカは317、宿泊・飲食ではアメリカは258と、これらの業種がサービス業の中でも特に生産性が低いことが分かります。日本のサービス業の労働生産性が低い理由は「おもてなし」という名の過剰サービスといわれています。
なぜ、アメリカの労働生産性は高いのか
過剰サービスの背景には、「お客様は神様」「安いことはいいこと」という二つの価値感があり、これがサービス業の生産性の低さにつながっています。
また、日米のサービス業で生産性が倍も違うのは、日本ではどの客にも平等に質の高いサービスを提供しますがアメリカでは金持ちには高品質の、お金のない人にはそれなりのサービスしか提供しないからです。つまり日本では、価格に見合わない過剰なサービスを提供しているが故に労働生産性が低くなるのです。サービスと価格のバランスをいかに取るかが、日本の生産性をあげる鍵といえます。
サービス業としての税理士業の過剰サービスを考える
以前、税理士業はサービス業とお伝えしました。
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税理士業においてもこの過剰サービスが労働生産性を下げていると日々の業務を通して感じてしまいます。例えば、このような場合、税金はいくらになるのかシミュレーションをお願いしたいと依頼された場合、簡単な計算であれば良いですが、複数の選択肢を要する場合、この業務は通常は代金を頂いてもおかしくはないでしょう。
しかし、税理士業は通常、顧問料という代金を頂いているため、この料金の範囲内として行ってしまうことが多いです。また、一度、無料で引き受けてしまうと次回から料金を頂くのにハードルがあがってしまいます。
もっと厄介なのは、本当は代金をもらうつもりだったのに、以前の税理士は無料でやってくれたなど、他者と比較され、渋々、やらざるおえない場合もあります。
過剰サービスにならないための方法とは
私も以前は、クライアントが喜んでくれればと何でもかんでも無料で引き受けていた時期もありました。しかし、これは明らかに自分の価値を下げる行為なのです。
ですので、今ではこの業務を行ったらどのぐらい時間を費やすのかと考え、そして自分の時給を考え料金設定をしております。ものすごい単純なことですが、この単純なことがサービス業では浸透していないと思います。私の目安としては時給1万円としており、一見高いと思われがちですが、それが我々の士業の価値だと考えてますし、それだけの価値を還元できると自負しています。繰り返しにはなりますが、サービスと価格のバランスをいかに取るかが、日本の労働生産性をあげる鍵といえるでしょう。