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サラ金の金利より高い?チュートリアル徳井さんが払った追徴課税とは?

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お笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実氏の個人会社「株式会社チューリップ」が東京国税局から申告漏れを指摘された問題で、消費税と源泉所得税計約6500万円の追徴課税を受けていたことも判明しました。

当初の法人税約3700万円と合わせ、追徴税額の総額は1億円超に上り、とうとう芸能活動の自粛まで追い込まれました。

ところで、この追徴課税という言葉をよく聞くのですが、この追徴課税はどのような場合に支払うのでしょうか?今回はこの追徴課税について説明します。

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実は追徴課税という名称の税金はない!追徴課税の中身とは

マスコミなどで、とある企業や著名人が脱税や修正申告等により追徴課税〇〇万円支払ったという報道をよく耳にするかと思います。

実は、追徴課税という名目の税金は存在しません。この追徴課税の本当の名称を附帯税と呼ばれます。

様々な種類がある 附帯税は7種類ある

現在、附帯税を大きく分けると延滞税・利子税・加算税および過怠税に分類されます。

さらに、加算税には、過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税、そして重加算税に分けられます。

名目は税金だが、実体は罰金に近い

附帯税は、名目からわかるように税と呼ばれていますが、本来の意味における税金ではありません。

すなわち、国税のうち、いわゆる本税以外のものをいい、納期限を過ぎて本税を納付したり、税務調査などにより本税を追徴課税された場合などに、一種の行政制裁として付加的に課される罰金に近いものとされています。

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どのような場合に課される?附帯税の仕組みと税率とは?

延滞税 〜私法上の遅延利息の性質に近い罰金〜

延滞税は、国税の全部または一部を法定納期限内(個人事業の所得税の場合は3月15日まで)に納付しない場合に、未納税を基準として課される罰金です。

一般的における遅延利息や延滞料金のイメージに近く、納付遅延に対する民事罰と考えられます。

気になる税率ですが、法定納期限の翌日からその国税を完納する日までの期間に応じ、未納の税額に年14.6%の割合を乗じて計算した金額となります。

なお、納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、7.3%(特例基準割合が7.3%に満たない場合には、特例基準割合)に軽減されます。

その軽減の理由は、税額確定後なるべく早目に納付することを奨励するための措置といわれています。

利子税 〜適正な手続きを踏めば延滞税より軽くなる〜

利子税は、延納もしくは物納または法人税の納税申告書の提出期限の延長が認められた場合に、それが認められた期間の約定利息の性質をもつ附帯税です。

延納というのは、どうしても納期限までに所得税などの税金が払えない場合に、納税者に対し納税資金の準備の期間を与えるために、その納付の延期を認める制度です。

物納は、延納によっても相続税を金銭で納付することが困難である場合に、代わりに財産をもって納付することを認める制度です。

法人税の納税申告書の提出期限の延長とは、災害やその他やむをえない理由により決算が確定しないため、確定申告の期限内に確定申告を行うことができない場合に認められる制度です。

一見、延滞税と利子税の違いがわかりにくいですが、延滞税同様、法定納期限は経過しているが、正当な手続きにより履行遅滞はないと考えられるために、延滞税より税率の低い利率の利子税が課されるのです。

気になる税率ですが、所得税および法人税については、年7.3%、相続税の物納については年7.3%、相続税および贈与税の延納については6.6%となります。

なお、延滞税と同様、特例基準割合が7.3%に満たない場合には、特例基準割合が適用されます。

どうしても、税金を期限内に支払うことができない場合には、適切な手続きを踏むことで附帯税を抑えることができます。

過怠税 〜意外と忘れがち印紙の貼付忘れ時に課される〜

印紙税は、原則として、印紙を課税文書に貼付し、消印する方法で納付されます。

過怠税というのは、印紙税の課税文書の作成者が、納付すべき印紙税を文書の作成の時までに納付しなかった場合、および課税文書に貼付した印紙を消印しなかった場合に課される附帯税です。

なお、その場合の附帯税は納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計額となります。

税務調査で結構指摘されるのが、印紙が貼ってあるか否かです。

実際の取引の場に税理士が立ち会うわけにも行かないですし、当事者間での取り決めで印紙を貼るわけですから、どうしても税務調査で税金が取れない場合に、調査官の最終手段としてチェックされます。

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実はこんなに怖い サラ金の利率よりも高い!?加算税の実体とは?

加算税は、納税者のコンプライアンスの水準を高めて、申告納税制度および徴収納付制度の定着と発展を図るため、申告義務および徴収納付義務が適正に履行されない場合に課される附帯税です。

加算税は上述のとおり、過少申告加算税・無申告加算税・不納付加算税および重加算税の4つからなります。

過少申告加算税・無申告加算税これらに代わる重加算税の納税義務は、その国税の法定申告期限の経過の時に成立します。ですので、個人の場合、3月15日までに所得税の確定申告を提出しなければ、無申告加算税が即適用されます。

不納付加算税およびそれに代わる重加算税の納税義務は、その国税の法定納期限の経過の時に成立します。

過少申告加算税 〜自主的に修正すれば課されることはありません〜

日本では所得税や法人税においては、申告納税制度が適用されます。

自分の意志により納付するわけですから申告納税制度は正確な申告の確保が必要となります。

期限内申告書が提出された場合に、修正申告または更正がなされ、当初の申告税額が結果的に過少となった時は、増差税額に対して課される加算税が過少申告加算税です。

なお、増差税額とは、当初申告した税額と修正申告などでの訂正後の税額との差額をいいます。

気になる税率ですが、過少申告加算税は増差税額の10%(修正申告が税務調査があったことにより、それについての更正があるべきことを予知してなされたものでない時は5%)が課されます。

さらに、増差税額が期限内申告税額または50万円のいずれか多い金額を超える場合には、その超える部分の金額の5%に相当する金額が加算されます。

なお、自主的に修正申告をすれば、過少申告加算税はかかりません。

無申告加算税 〜徳井氏も該当したであろう追徴課税〜

法定申告期限内に申告がされず、期限後申告または決定によって税額が確定した場合、もしくは期限後申告または決定があった後に修正申告または更正によって増差税額が生じた場合に課される加算税が無申告加算税です。

なお、決定というのは、税務署長が納税義務者が申告義務を怠った場合に、その調査により、自ら課税標準等または税額を決めることをいいます。

税率は税額または増差税額の15%の金額の無申告加算税が課されます。

さらに、無申告加算税を課す場合において、納付すべき税額が50万円を超える時は、無申告加算税の額は、その超える部分に相当する税額に5%の割合を乗じて計算した金額を加算した金額となります(つまり20%!)

不納付加算税〜意外と忘れがち源泉所得税の不納付に課されます〜

源泉徴収等による国税が法定納期限までに完納されなかった場合は、納税の告知にかかる税額または法定納期限後に告知を受けることなく納付された税額の10%の金額の不納付加算税が徴収されます。

源泉徴収等による国税とは一般的に、給与から天引きされている源泉所得税が該当します。

重加算税〜最大50%の追徴課税も課される!?可能性あり〜

納付すべき税額の計算の基礎となる事実の全部または一部について隠蔽または仮装があり、過少申告・無申告または不納付がその隠蔽または仮装に基づいている場合には、過少申告加算税・無申告加算税または不納付加算税の代わりに、重加算税と呼ばれる特別に重い負担が課されます。それが重加算税です。

過少申告加算税の代わりに課される重加算税の額は、その計算の基礎となる税額の35%が課されます。

無申告加算税の代わりに課される重加算税の額は、その計算の基礎となる税額の40%が課されます。

そして、不納付加算税の代わりに課される重加算税の額は、その計算の基礎となる税額の35%が課されます。

さらに、隠蔽・仮装が短期間に繰り返し行われている例が少なくないため、これを防止するため、平成28年度改正で、過去5年間以内に無申告加算税または重加算税が課された者が、再び調査を受けて無申告または隠蔽・仮装に基づく修正申告等を行った場合には、重加算税の額は上述の割合にさらに10%加算されます。(35%→45% 40%→50%)

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最後に

いかがだったでしょうか?最大50%も支払わなければならない追徴課税。予想以上に高く感じたのではないでしょうか?

税理士として、一番税金が安くなる方法はなんですか?と聞かれたら、第一にお伝えするのは、申告期限までに正しく、税金を申告して納税することとお答えします。

正直者が馬鹿を見ないように、税金の法律はできています。税務署が入る前に自発的に申告すれば、課されるべき追徴課税も課されずに済みます。

現在、税金の未納などで、お困りでしたら、税理士を手軽に探すことができる税理士.comのようなサイトもあるので、まずは気軽に税理士を探してみましょう。

また、税理士を探すうえでこちらの記事もお役に立てると思います。

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