やまそうです。今や70歳まで働くことが当たり前となりつつあります。だが、せっかくお金を稼いでも、夫の動き方次第では、税金や保険料の支払いが増え、年金や給料の受け取りで大損してしまいます。今回は夫婦のお金を守るための豆知識をお教えします。
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退職金は一括方式?年金方式? 受取り方で受給額が大きく変わる
まずは退職金の受け取り方です。一括で受け取るか、分割して年金方式で受け取り方を選択することができます。果たして、どちらの受取り方がお得なのでしょうか?
この場合、損しないための選択肢は前者の一括受取方式です。一括で受け取る場合は、退職金に特別な所得税の控除受けられます(退職所得控除)。
一方で、年金方式で受取ってしまうと、介護保険料、国民健康保険料が割高になって、受給額が目減りしてしまうのです。
年金の受給年齢は結局、何歳が一番お得なの?
年齢の受給年齢は3つの選択肢がある
次に、年金の受給年齢です。年金の受給には以下の3つの選択肢があります。
① 60歳から繰り上げ受給(受給額30%減)
② 65歳から受給
③ 70歳から繰り下げ受給(受給額42 %増)
計算上は70歳から繰り下げ受給が一番多くの年金がもらえる
計算上は、81歳を超えて生きるなら③が最も多く年金を受給できます。とはいえ、70歳まで夫の再雇用の賃金のみで、年金を受け取らないと、生活が苦しくなります。その時は、妻だけ70歳に繰り下げ受給し、夫は65歳から受け取れば結構です。
男性の場合、繰り下げ受給していても、損益分岐点の81歳まで生きられないことも多いです。女性は男性よりも長生きしやすいので、夫の分は65歳で、妻の分は70歳で受給するのが、生活も保障されつつ、確率的にも年金を多く受給できる選択肢でしょう。
損しないで年金を受給するなら月額47万円を超えないようにすること
年金を含めた月の収入が47万円超えると超えた分の半分はカットされる
では、65歳で年金を受給開始した夫は70歳になるまで、どのくらいの時間、どのように働くべきでしょうか。
実は、年金と合わせた月の収入が合計で470,000円を超えてしまうと、470,000円を超えた分の年金が50%カットされてしまいます(65歳以上の場合)。減額された分の年金は、永遠に受け取れません。
470,000円を超えないよう給与を抑えたければ、フルタイムで働くのではなく、会社と交渉して週4日だけ働くなど、給与を調整する方法もあります。
週30時間未満の働き方なら厚生年金保険料の負担も無くなる
働く時間にも基準があります。週の所定労働時間の4分の3未満の勤務時間(一般的な企業では週に30時間未満)であれば、厚生年金保険料(給与の9%程度)を支払う必要はなくなります。
もちろん、定年後の労働で再び厚生年金に加入すれば、退職後の年金受給額は増えます。
しかし、仮に70歳まで厚生年金保険料を支払うと、支払った分の年金を回収できるのは、前述の通り81歳になります。万が一のことも考えて、65歳以降は週30時間未満、年金と合わせた月秋は470,000円以内に抑え、年金を最大限受給すべきでしょう。
共働きの妻も働くなら どのような働き方がお得!?
妻は夫の扶養の範囲内で働くことがお得
一方で、妻も働くなら、どのような働き方が得でしょうか?正解は夫が年金受給を開始する65歳になるまではしっかりと働きましょう。それ以降は、自分の年金の受給が始まる70歳まで、原則、夫の扶養の範囲(1,030,000円)で働くことです。
夫が年金を受給するまでは、生活をサポートする意味でも、フルタイムで働くのが良いでしょう。厚生年金保険料が天引きされますが、女性の寿命の長さを考えると、夫が65歳になるまで収め続けた保険料の分は十分回収できます。
夫が65歳以降は、夫の年金受給が始まります。この時妻が年収1,030,000円未満に抑えておけば、夫は所得税の配偶者控除(380,000円分)を受けられます。夫の年金から無駄に所得税が差し引かれ、損をせずに済みます。夫婦ともに損のない働き方を実践しましょう。
さいごに
いかがだったでしょうか?今回は年金を最大限にもらうための「再雇用」における豆知識を紹介しました。
半世紀以上、家庭や日本の発展のために働き続けて、せっかくの老後生活で知らず知らずのうちに損をしてしまう・・・。日本における年金制度を知っているか知らないだけ大きく受給金額が大きく変わってしまいます。
知らなかっただけで損しないように、自分の老後生活を守るためにも知識を蓄えておきましょう。