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災害等による公的支援を受けるために必要な罹災(り災)証明書とは

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2019年10月12日から13日にかけて日本を縦断した台風19号の死者・不明者は90人に上り、住宅被害は5万7千棟に達しました。

被災家屋の数は発生から1週間の時点で 2018年の西日本豪雨を上回るなど、過去最大規模とされる台風の深刻な被害が毎年のように報告されています。

もし、災害等の被害を受けた場合には、市町村により災害関連の公的支援を受けることができます。そこで必要になるのが「罹災証明書(りさい証明書)」です。

今回は、被災者が税金の免除などの公的支援を受けるために必要な罹災証明書について紹介します。

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災害関連の公的支援を受けるために必要な罹災(り災)証明書とは?

災害等による被災を受けた場合には罹災証明書の発行は鉄則

被災者が災害関連の公的支援を受けるには、被災状況をまとめた書類を各所に提出しなければなりません

その際に必要となるのは、「罹災(り災)証明書」です。この罹災証明書とは、地震や風水害等の災害により被災した住家等の被害の程度を市町村 が証明するものです。

その書類は必ずしも「罹災証明書」に限られているわけではありませんが、罹災証明書は一度取得すれば、複数の手続きに使えるため、公的支援を受ける際には、取得することは鉄則です。

罹災証明書の発行にあたり過去には自治体との認識トラブルも

災害の程度に関する判断について自治体と住民が争いになることは少なくありません

例えば、2018年に発生した北海道胆振東部地震では、罹災証明書発行数の2割に不服申し立てが行われた自治体があるなど被災者の訴えが多発したケースがあります。

ですので、そのような納得いかない判断を下される恐れがあるため、事前にそのようなリスクを抑えられるための対策は必須といえます。

被災の正確な状況を伝えるためにも被災後すぐの撮影が必須

市町村の職員に被害状況を正確に伝えるには、可能な限り被災直後の状況を写真におさめることが重要となります。

例えば、災害によって事業用の看板が外れたのであれば、基本的に設置し直す前に撮影しなければなりません。

住宅の被害についても、家を片付ける前にまずは撮影することが原則です。

ですので、損害の程度を写真によって証明することで、税金の減免などの公的支援を受けるための罹災証明書をスムーズに取得するためにも最低限の手段と覚えておきましょう。

なお、証明書は原則として市町村の税務担当などの職員が被災の状況を現地確認することになっています。

その原則を徹底すると発行が滞ってしまうことから、最近では被災者がスマートフォンなどで撮影した画像だけで被害の状況を判断する自治体が増えています。

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罹災証明書を取得することで受けられる優遇措置とは

罹災証明書を取得することによって対象となる公的支援は数多くあります。

税金面では「雑損控除」もしくは「災害減免法」による減免が代表的な措置で、災害の程度に応じて損害額の一定額について税負担を軽減することができます。

災害減免法による納税の減免措置

災害によって納期限までに納税できない時は、最寄りの税務署に申請することで期限を最大2ヶ月延長することができます。

この手続きは納期限が過ぎてしまった後でも行うことができ、延長期間ないなら延滞税は課税されません。

なお、延滞税などの附帯税について、もっと知りたい方はこちらの記事が参考になります。

家屋や設備に著しい損害を受けた時は、全財産のおおむね20%以上の損失を受けていることなどの基準を満たしていれば、最大1年間は国税の納税猶予を受けられます。

さらに、被災して資金難に陥ったことなどを理由に納税が困難になった時はさらに2年間の納税猶予を受けることができます。

2つの税優遇は重複適用が可能ですので、2つの特例を組み合わせれば、最大で3年間の猶予措置が適用できます。

法人税については災害による損失は10年間にわたって繰越欠損金として控除も

また、法人税については、災害によって生じた損失は10年間にわたって繰越欠損金として控除できます。

さらに前年(青色申告法人であれば2年以内)に納めた法人税があれば、損失に対応する金額の還付を請求できることも覚えておきましょう。

一方、固定資産税や法人事業税などの地方税についても、自治体によって対応に細かい差はあるものの、多くの自治体では国税と同様に様々な災害時の特例を設けています。

例えば、東京都では、固定資産税や都市計画税、個人事業税のなどの減免が認められています。

大阪府では、申告・納税期限の延長のほか、個人事業税や不動産取得税の減免、一度納めた自動車税の還付などの措置を講じています。

罹災証明書を取得することで受けられる税務以外の優遇措置

罹災証明書を添付することで受けられる税務以外の優遇措置としては以下のものがあります。

  • 被災者生活再建支援金の受給
  • 国民健康保険料の減免
  • 災害復興住宅融資の利用
  • 義援金の配分
  • 仮設住宅や公営住宅への優先入居

これらの優遇措置は、住民が受けた被害を自治体がどの程度と認定するかによって支給額などが変わるものが多いので、お住まいの自治体に確認するようにしましょう。

1日も早く立て直すためにも、このような特例措置をフル活用していきたいのですが、様々な特例の適用を受けるためには罹災証明書が必要となります。

個人であれば、自治体の発行する罹災証明書、企業であれば、商工会、商工会議所などが発行する被災証明願などが必要となります。

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最後に

このような被災が生じた場合には、テレビなどのマスコミは被害の状況やボランティアの活躍などを報道されます。

私見ですが、このような被害状況を伝えることも重要ですが、被災者の方が1日も早く普段の生活が取り戻せるように、罹災証明書の発行の必要性などをもっと報道する必要があるのではないかと考えます。

昨今の軽減税率がどのような状況に当てはまるかを面白おかしく伝えたり、一人の芸能人の脱税スキャンダルを追いかけるよりも被災者を救済する報道しなければならないことがあると思います。

このような被災者のためになる優遇措置を世間に大きな声で伝える必要があるのではないかと考えます。

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